セイコーエプソンを訪ねて ビジネス版長野環境人士

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「地域との共生」を礎とするセイコーエプソンの本社(諏訪市)

セイコーエプソン(諏訪市)は持続可能な社会の実現に向け、2050年に地球上のCO2(二酸化炭素)総量を減少に導く「カーボンマイナス」と資源循環を進め、原油、金属などの枯渇性資源に頼らない「地下資源消費ゼロ」の達成を目指す。2008年に策定し、21年に2度目の改定を行った「環境ビジョン2050」の中で位置付け、脱炭素、資源循環、環境技術への費用投下を加速していく。

1942年に諏訪市で創業して以来、「地域との共生」を礎としつつ、グローバル企業へと成長を遂げた同社。その発展の歴史の中で常に大切にしてきた「自然環境を敬う企業風土」は今も変わることはない。

自然環境を敬う企業風土の中で環境に前向きに取り組み、発展を続けるセイコーエプソンの小川恭範社長

小川恭範社長(61)が入社した1988年は、同社がオゾン層破壊物質のフロンを撤廃する「フロンレス」を宣言した年であり、同社の「環境元年」の年でもある。大胆な構想もグループが一丸となって取り組んだ結果、93年までに全廃を達成。このほかにも昨年末にはグループ全体の全消費電力の100%再生可能エネルギー化を実現した(一部、販売拠点などの電力量が特定できない賃借物件は除く)。

大胆な構想を掲げ、一つ一つ実現してきた背景には環境に積極的に取り組む企業風土の中で育った社員の意識の高さがある。環境ビジョンの達成に向け、脱炭素、資源循環、環境技術分野に2030年までの10年間で1000億円を費用投下する計画。小川社長は「やらなければいけない状況をつくるのが経営者の仕事です」と語る。

企業の環境への取り組みについて元環境省環境事務次官の小林光さん(74)は二通りあるとし、一つは「前向きに取り組んで環境で儲けを出す会社」、もう一つは「後から嫌々やる会社」。意識の異なる二つの会社はたとえ同じ取り組みをしても、そこから得られる視点は全く異なる。環境に積極的に取り組むことで見えてきた視点は、同社の今後の戦略に盛り込まれ、新たな成長の糧になるのだろう。

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