山室の棚田保全へ パートナーシップ協定締結

LINEで送る
Pocket

協定書を手にする関係者。(左から)黒河内貴社長、北原義克会長、大塚治男代表理事、立会者の布山澄県上伊那地域振興局長

農林水産省の「つなぐ棚田遺産」に認定されている伊那市高遠町の「山室の棚田」の保全活動を進めようと、山室地区の営農組織「農事組合法人山室」、酒造会社「仙醸」、高遠町内酒販店4店でつくる「高遠旨い酒研究会」の3者が8日、県の仲介で「棚田パートナーシップ協定」を締結した。県内では8例目の協定で、上伊那では初めて。

三者は地元限定で販売している清酒「やまむろ」を通じて2005年から強固なタッグを組む。「高遠産の米を使い、高遠の蔵元で醸し、高遠の酒屋だけで販売する地酒」として高遠旨い酒研究会が企画した酒で、農事組合法人山室が棚田でつくった酒米「ひとごこち」を100%使って毎年仙醸が醸造し、出来たてを絞った生原酒や火入れをした定番の辛口純米酒として提供している。今年暮れに新酒が完成すれば、20回目の出荷となる。

棚田パートナーシップ協定は、農村の高齢化や過疎化が進む中、美しい地域資産でありながら耕作に多大な労力を要する「棚田」を農家だけで保全していくことは困難だとして、企業や学校、都市住民など多方面に協力・連携を呼び掛け、多くの人の手による継続的な保全活動を支援していく取り組み。県は仲立ち役として情報発信などでサポートする。

伊那市の県伊那合同庁舎で行われた締結式には三者をはじめ県や市、JA上伊那などから約20人が出席。仙醸の黒河内貴社長(47)と高遠旨い酒研究会の北原義克会長(82)、農事組合法人山室の大塚治男代表理事(66)らが協定書に調印し、さらなる協力関係の発展を誓い合った。

あいさつで黒河内社長は、酒造会社として品質のいい酒米が地元で手に入る環境の良さや20年にわたる関係者の努力に感謝しながら、「財産である棚田や田園風景の中で、農業に携わる皆さんや販売する皆さん、飲んでいただける皆さんの幸せがずっと続けばうれしい」と話していた。

おすすめ情報

PAGE TOP