2024年2月10日付

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エジプト南部の町アスワンから船に乗り、巨大なダムを南下して国境を越えると、間もなくスーダンの町ワディ・ハルファに着く。そこから首都ハルツームまでは約1000キロ。世界最大級のサハラ砂漠を縦断することになる▼移動手段はトラック。人と荷物を満載し、運転手は道というより、かすかなわだちを頼りに走る。道中、車輪は深い砂で空回りし、タイヤはパンクし、思うようには進まない。砂漠のど真ん中でも時折、人の姿を目にし不意に茶屋が現れて驚かされた▼「夏は50度にもなるこの場所で、彼らは本当に生活している。すごい生命力だ。何を食べ、何を楽しみに生きているのか―」と当時の日記にある▼朝日新聞の連載「緑の長城・アフリカの挑戦」によると、サハラ砂漠南部は世界平均の1・5倍の速さで気温が上昇。ある地域では温暖化による雨不足で、作物や牧草が枯れて農業では生活できず、欧州への移民志向の高まりや、過激派組織に加わろうとする人が絶えないという。サハラ南部では、東西約8000キロを植林で緑化する「グレート・グリーン・ウォール構想」が進む。植林の作業自体で雇用を生み、地域経済の発展を目指すという▼地球温暖化は確かに進み、伊那谷も以前より雪の量が少ない。今季初の本格的な雪が降った今週、雪で濡れた靴の冷たさに、なぜかホッとした。雪が降る冬がいつまでも続くことを祈る。

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