咲き誇れ「諏訪の洋菊」 青年農業者が栽培

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洋菊の栽培に意気込む青年農業者たち

洋菊の栽培に意気込む青年農業者たち

仏花で市場ブランドを確立する諏訪地方の菊栽培。それを支える富士見町、原村内の青年農業者たちが新たに洋菊の栽培に乗り出した。色が鮮やかで花の形も多彩なため、祝いごとや贈答向けに市場の人気が高まっている。2015年から試作を始め、色づきや質の良さに市場の評価も高く、手応えは上々だ。

栽培するのは原村中新田の中村清一郎さん(48)と、いずれも富士見町立沢の田中学さん(48)、相馬信行さん(40)、迎弘樹さん(34)。中村さんと田中さんは会社員を経て家業を継ぎ、相馬さんは4年前に静岡県三島市から、迎さんは2年前に東京都から移住し、町の支援で新たに就農した。洋菊の導入は相馬さんが提案した。

2016年は細い花びらが特徴のアナスタシア、ピンクやオレンジの花色が鮮やかなシャガールなど20品種を導入。4人で計約560ケース、約2万2400本を出荷した。「他産地に比べて花の発色がきれいだと市場で抜群の評価を受けた」(相馬さん)といい、自信を深めた。

仏花はつぼみの段階で出荷するのに対し、洋菊は開花を待って収穫するため、「美しい花を見る喜びに自然に笑顔がこぼれる。育てる意欲が湧いて前向きになれる」(田中さん)と、”予想外”の効果も。妻たちにも好評で、市場PRや販路拡大は女性陣が担当。見本市に参加したり、アレンジメントを売り込んだりと生産以外の分野でもやりがいがあるという。

自然栽培では収穫のピークは10月だが、4人が目指すのは7、8月の出荷。この時期の国内産はほとんどなく、ニーズが高い。生産量も約1・5倍に増やす計画だ。

諏訪地方の菊は従来、品質や花色の良さで市場評価が高いが、近年は農家の高齢化と後継者難が深刻。中村さんらによると、最盛期は300人超が栽培に従事し、出荷量も20万ケース(約2千万本)にのぼったが、現在は従事者は75人、出荷量は5万ケースにまで落ち込んでいるという。

洋菊の栽培は、成長スピードを調節するための管理と設備投資が必要なほか、仏花より芽欠きの作業に手がかかるなど苦労もあるが、4人は、「先輩たちが培った”信州諏訪の菊”というブランドを堅持するのが目標。市場やお客さんに、『諏訪の菊がほしい』と言われる仕事をしたい」と意気込んでいる。

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