変わり始めるペンション街 原村

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ペンション街の入り口にミクハウスをオープンさせた宮坂さん

ペンション街の入り口にミクハウスをオープンさせた宮坂さん

かつて全国有数のペンション村として多くの人が訪れた原村ペンションビレッジ。宿泊客は現在、ピーク時の半分程度にまで減少している。施設の老朽化やオーナーの高齢化、後継者不足などさまざまな問題を抱え、過渡期を迎える中で近年、ペンションの目的外利用という新たな動きが出てきている。既存施設を改装した飲食店や工房、ゲストルームなどが新たに開業しており、ペンション街再生に向けた動きとなるか、観光関係者はがその動向を見守っている。

原村が今年実施したペンションオーナーを対象としたアンケートによると、ペンションとして宿泊客を受け入れているのは全体の約65%。住居または利用していない人は約18%で、事務所やアトリエ、店舗など目的外利用者は約15%だった。あるペンションオーナーは「これまで通り宿泊だけのペンション街であれば消えてなくなるのも時間の問題」と危機感を募らせる。

そんな中、2016年にはペンション街に、そば店などの飲食店が新たにオープン。東京から移転したペット用菓子工房も完成した。

同村に住むクラフト作家の宮坂美久さん(35)は、空きペンションを購入し、軽食や飲み物を提供するほか、長期滞在者らに対応する簡易宿泊設備(ゲストルーム)を備えた、多目的な利用が可能な「ミクハウス」をオープンさせた。

ゲストルームは全9室(1部屋2~4人用)で、最大20人の宿泊に対応。長期滞在者も受け入れる。「原村では夜の楽しみもなく、寝るしかない」という宿泊客の声を受け、夜にお酒や軽食を提供する宿泊者以外も利用可能なバーコーナーも備えた。さらに2017年春ごろまでには、原村を中心とする八ケ岳山麓に住むクラフト作家の作品を代行販売するコーナーも設置予定で、各種クラフト体験や作品展示などにも対応するとしている。

施設は、ペンション街への入り口という目立つ位置にあるため、宮坂さんは「ビレッジ全体の宿泊客の交流、宿泊客と地元住民をつなぐ場となる施設にしていきたい」と話す。さらには村内観光やクラフトなどの情報発信の場としての役割も果たしていきたいと考えている。「ペンション街がさまざまな業態の店や施設が複合する観光地になれば、村観光の活性化にもつながっていく」と、ビレッジの前向きで自主的な変化に期待を寄せている。

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