2017年01月17日付

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本紙上伊那版の連載でおなじみの、長ぐつ先生こと建石繁明さん=伊那市=のご自宅を訪ねると、研究用に採集された生き物を見ることがよくある。多くは連載の題材だが、身近な場所にいるのに、今まで全く気づいていなかった生き物だったりすると興味が湧いてくる▼ヒラタドロムシの幼虫もその一つだった。天竜川のザザムシ漁では四つ手網に普通に入ってくる生き物で、水生甲虫の仲間らしい。見せてもらった幼虫は体長1センチほど。小判型で、英国では「水中のペニー銅貨」と呼ばれているそうだが、銅貨というよりも、化石で見たことがある三葉虫のような姿だった▼川底では石にへばりついているそうだ。円盤をふせたような形も、流れの中で生きていくには都合がいいのだろう。奇妙な生き物を見ていると、普段何気なく見詰めている川の中に、陸の上とは別の世界があるのだと改めて思う▼天竜川上流河川事務所が今年度、天竜川などで行った水生生物調査の結果を巡回展示している。川にすむ生き物の種類を調べ、水の汚れ具合を表す「指標生物」からその場所の水質を判定する調査で、学校の夏休み中に行われ、子どもらが川の生き物から環境を学ぶ機会になっている▼参加者アンケートで、ヒラタドロムシ類が印象に残った水生生物の上位に入っていた。「やはり」である。捕まえると指に吸い付く生き物が記憶に残ったのかもしれない。

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