2017年01月25日付

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紙の起源とされる「パピルス」は古代エジプト文明で約5000年前に生まれた。古代ギリシャの哲学者プラトンの言葉は、パピルス文書の一つとして残されている。当時の社会生活を知ることができる文書の数々もそうだ▼これらは人が紙に書き写す写本で伝えられた。日本の古典の写本は、「古事記」や「日本書紀」などさまざまある。「源氏物語」は54帖にも及ぶ大作。先人の苦労のおかげで現代でも読むことができる▼徳川家康は寺社や公家が持つ古書を僧に書き写させ、後世に残したという。その後、戦乱の終結とともに木版で印刷された書籍が作られ、一般の人にも身近になった▼幕末の志士、坂本龍馬が暗殺される5日前に書いたとみられる手紙が見つかった。大政奉還後、新政府の財政問題の対応に奔走していたことが裏付けられ歴史的価値が高い史料という。龍馬の書状の中で初めて「新国家」という言葉も確認された。150年前の書状が見つかるというのも紙ならでは。古文書は全く読めないが、龍馬ともなれば筆跡だけでも興味が湧く▼紙がもろくなった旧約聖書の最古級の写本が、デジタル処理によって中身が現代によみがえったという。電子機器の進歩は目覚しい。大国アメリカの大統領による「ツイッター」は瞬時に拡散し、世界を翻弄する。権力者の「つぶやき」は100年後、200年後にどう記録されているのだろうか。

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