伊那の木に抱かれ旅立ち 地元産材の棺

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伊那市産のカラマツとヒノキで作られた木棺

伊那市は24日、市地域材利活用研究会(事務局・市耕地林務課)が開発を進めていた木棺が完成し、3月1日から販売を始めると明らかにした。同市を代表する樹種のカラマツとヒノキで製作した2種類で、上伊那地方の葬祭業者を通じて提供する。市は豊かな森林資源を生かし、地元産材の利用拡大につなげていきたい考えだ。

木棺は幅52センチ、長さ180センチ、高さ40センチ。カラマツ製の「黄金」は赤みのある美しい色合い、ヒノキ製の「和み」は美しくやさしい光沢と柔らかみのある淡黄色の色彩が特徴。ともに間伐材を活用し、集成材に加工することで反りや歪みを抑えた。

上伊那森林組合が木材の供給、加工を行い、木工職人らでつくる「ウッドフォーラム伊那」が製作する。カラマツ製、ヒノキ製とも年15基の販売を見込む。製作費は1基15~18万円ほどで、販売価格は装飾などを含め葬祭業者によって異なる。

同研究会は、市、県、上伊那地方の林業、葬祭業などの関係者で構成。地元産材の利活用拡大を目的に、2015年度に木棺の研究開発を始めた。試作段階では燃えにくいという課題があったが、2回の燃焼実験を経て、集成材の厚さを8ミリとすることで完成にこぎつけた。

事務局によると、現在流通している木棺の大半は中国製。このため、故人と同じ時間、空間を生きた地元産材で送り出すことができないかと木棺に着目。同市では「ウッドスタート」として新生児に木のおもちゃを贈る事業に取り組んでおり、「ウッドエンド」があってもいいとの考えもあった。

同日の定例記者会見で木棺を披露した白鳥孝市長は「最高のものが出来た」と高く評価。その上で、「誰もが必ず必要になるもの。地元の木で安らかに送り出してもらえれば」と話した。同研究会ではワインだるも製作。仕込みに使う計画もあるという。

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