2017年01月26日付

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自然や今の景観を守りたいと願う人たちは安どしているのだろう。富士見町の八ケ岳の裾野にメガソーラー施設を造る計画が白紙に戻った。建設案が浮上して3年半。開発にあたり町が業者に求めた、周辺地区の同意を得ることができなかった▼土地を提供する予定だった区は、町内でも高齢化、人口減が進む地域。山の樹齢が限界に近づくが、山作業の人手も年々減っている。この先、山はもとより集落さえ維持できるかどうか-と不安が募る。そこに持ち掛けられた開発話は希望の光に見えたことだろう▼土地の賃貸収入で人口減対策に取り組むつもりだった。地元の若者の婚活を応援し、区内で暮らすと決めた人の住宅改修を支援しよう。区の自力で若者の流出を食い止め、移住者を迎え入れよう。お荷物の山を次代の資産に換えて残したい-そう思った▼しかし、28ヘクタールを皆伐する計画に、景観や水質の悪化などを懸念する人から反対の声が上がった。計画に同意すべきかの判断を求められた周辺地区も苦しんだことだろう。区の未加入者が増え、担い手不足に悩むのはいずこも同じだ▼計画の中止で雄大な風景は守られたが、地域が抱える根本的な課題は何も解決されていない。自然保護の担い手でもある集落そのものが衰退の危機にある中で、急ぎ代替案が要る。地域を支える責務は、建設への反対、賛成にかかわらず、町に住む全員にある。

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