長時間労働 法改正で実効ある施策を

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違法な長時間労働が相変わらず横行している。厚生労働省が今月公表した長時間労働が疑われる1万59事業所を監督指導した結果、4416事業所(43・9%)で法令違反が判明し、過重労働が解消されていない実態が浮き彫りとなった。長時間労働規制に向け、政府の「働き方改革実現会議」が今年度中に実行計画をまとめる方針だが、法改正を含め実効性のある施策を打ち出してほしい。

厚労省によると、今回の監督指導で法令違反が見つかった事業所のうち、残業時間が1カ月に100時間を超える労働者がいた事業所が2419カ所と半数以上を占め、200時間を超えたところも116事業所もあった。調査した事業所のうち、637カ所でサービス残業が見つかり、1割超の事業所で過重労働による健康被害の防止措置を実施していなかったことも分かった。

働き方改革の柱は言うまでもなく、長時間労働を解消することにある。労働基準法では労働時間を1日8時間、週40時間と定めてある。ただし、労基法36条に基づく労使協定(三六協定)を締結すれば、経営者側は事実上無制限で残業させることが出来る。この協定が抜け道となり、日本企業の正社員の労働時間は年2000時間と高止まりしたままだ。

長時間労働を是正するには、以前から批判のあった三六協定を見直す必要がある。残業時間に上限規制の枠を設ければ、一定の歯止め効果が期待できる。

見直しにあたっては上限時間をどこに設定するかの課題に加え、一律の規制は企業活動の妨げにならないか―などといった経済界からの指摘もある。だが、これまで通り企業の取り組みに委ねていたら、いつまでたっても長時間労働の解消は進まない。

終業時から次の始業時までに一定の休息時間を義務付ける「インターバル制度」も、働き方改革の重要なテーマだ。連合は2017春闘で次の勤務まで11時間空ける制度の導入を目指すとしている。同一労働同一賃金の実現も大きな課題に浮上している。雇用者の4割近くを占める非正規雇用の賃金が低いことが、日本経済にマイナス効果を及ぼしていると指摘されて久しい。中でも次世代を担う若者たちの待遇を克服しないと活力ある社会の実現は難しい。

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