2017年02月03日付

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かつての天気予報は、解析に使うコンピューターも気象衛星もなかった。だから人の判断や考えに頼る部分が多かった。社会や市民生活への影響が大きい天候の予測に、予報官は神経をすり減らしたに違いない▼諏訪市生まれの気象学者で中央気象台長などを務めた藤原咲平が、同僚や後輩たちに向けて、自らの経験に基づいた「予報者の心掛け」と題する文を発表したことがある。1933(昭和8)年。もう80年以上も前のことになる▼内容は気持ちの持ち方から専門分野までさまざまである。要点を引くと、精神面では「平常心を心掛け、気がかりがあってはいけない」とし、体調は「わずかな病気でも判断力に影響する」と説く。検証の繰り返しを求め、「予報の成績を常に吟味し、不中の原因を追究する」と付け加える▼分かりやすく言えば、周囲の雑音に惑わされず、集中できるよう身の回りの環境を整えておく。全ての基本となる健康を大切にする。失敗したら原因を突き止め、過ちを繰り返さない、といったところか。気象の世界にとどまらない教訓と言っていい▼受験シーズンが本番である。高校や大学の入学試験に挑む受験生たちに今、最も必要なのもおそらく、この教えではないか。まずは体調管理を第一に考え、自らを信じて平常心を失わない。自分ができることを精いっぱいやり切る。その心掛けがあれば、道は開けると信じている。

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