2017年02月04日付

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山と山に物干しざおを掛けられる。こんな狭苦しい土地に住んでいられないと出て行った人もいる―。大げさな話だと思いつつも木曽で暮らすと狭さは共感できた▼木曽谷は南北に長い。国道19号を車で走ると、北は塩尻市、南は岐阜県中津川市に至って、ようやく広い空に開放感を覚える。11年前のきょう、全長約4・5キロの権兵衛トンネル開通で東の玄関が開いた。伊那へ抜けると手前に市街地、遠くに南アルプスの雄大な山並みが広がる。立ち止まって一息つきたくなるような眺めだ▼交流の少なかった両地域を短時間で結びつけた。地理的に他地域との交流が限られていた木曽側の方が変化は大きかったかもしれない。直後に国道沿いで急増したコンビニエンスストアにヒト、モノの変化を感じ、自然景観への影響が気になったのを思い出す▼伊那谷ではJR東海が2027年のリニア中央新幹線開業に向け、南アルプスを貫く全長約25キロのトンネル工事を進めている。品川―名古屋間が約40分というから、駅ができる飯田からは「ちょっとそこまで」の感覚で大都市と行き来できるようになる。影響の大きさは計り知れず、上伊那にも及ぶだろう▼そのときに備え、足元の宝に目を向け、マイナスをプラスに転じる知恵を絞る必要がある。開業後の地域の担い手となる若い世代の意見に大いに耳を傾けたい。10年なんて長く思えてあっという間である。

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