老朽空き家の撤去支援 岡谷市が制度創設

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岡谷市は、老朽化が著しく周辺の住環境への影響が懸念される空き家の撤去を所有者に促すため、2017年度から新たに撤去費用の一部を負担する制度を創設する。建物の構造や老朽化、防火対応の不備といった観点から法律に基づく「不良住宅」と判定された建物を対象に撤去費用の2分の1を20万円を上限に補助する。

市は14年度に空き家の適正管理を求める条例を制定し、所有者とのかかわりを強くしてきた。13年度には一戸建ての空き家の実態調査の結果をまとめ、この時点で空き家と判定した全551件中に老朽化が著しい空き家が21件あった。これまでに7件が撤去されたが、引き続き14件が残る。中には周辺住民から安全面、防犯面などを懸念する声が市に寄せられている。市の推計では撤去費用の補助対象となる老朽化空き家は10~30件とみられる。

対象になるには、まず建築士に「不良住宅」に当たるかどうかを判定してもらう。判定委託料は市が負担し、所有者の負担はない。条件を満たした場合、周辺の住宅環境を考慮しながら市が補助対象とするか否かを判断し、必要に応じて所有者に制度活用を提案する。一般的に撤去費用は100~200万円とされており、市都市計画課は「上限20万円では決して十分ではないかもしれない。それでも撤去の決断を後押しすることにつながれば」と話す。

仮に老朽化した空き家が倒壊などして周囲に危害を与えた場合、所有者が損害賠償の責任を負うことになる。また周囲の住環境の悪化が近隣トラブルの原因になることもある。市都市計画課によると、空き家の撤去費用の補助は伊那市、塩尻市、佐久市や町村部にあり、空き家問題が顕在化しつつある中で、今後も撤去補助制度を導入する自治体は増えそうだ。

市は撤去の補助制度創設とともに建築士、司法書士、建設業者の団体などとともに構成する「市空き家対策連絡会」を立ち上げ、市都市計画課に専用の相談窓口を開設する。空き家所有者の中には県外在住者も多いことから、空き家の適正管理の業務委託先の紹介なども行っていく。

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