消却灰の行方-処分場計画・中 用地選定

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湖周行政事務組合の最終処分場が計画されている諏訪市板沢地区

諏訪市と辰野町を結ぶ県道の有賀峠頂上付近から約2キロ南に入った山間部。湖周行政事務組合の最終処分場計画地は、山林や原野が広がる諏訪市湖南の板沢地区にある。約7万4000平方メートルの事業用地の下流には地区住民が暮らす小規模集落。「フクジュソウの里」として以前は開花期に催しを開いていたが、過疎化が進む現在は行われていない。

組合と予定地の下流域に当たる辰野町住民の意見が平行線をたどる最終処分場計画。岡谷市、諏訪市、下諏訪町の可燃ごみを共同処理する焼却施設が岡谷市に建設されることが2005年に決まり(昨年12月本格稼働)、11年3月には焼却灰を埋める最終処分場が諏訪市に整備されることが市町間の協議で決定した。

諏訪市は候補地の絞り込みに当たり、旧ごみ焼却施設や最終処分場が東部地域にある点など廃棄物施設の配置を考慮。湧水が少ないなど水質への影響が回避できる点や活断層が確認されていないことも理由に板沢地区を選定した。

13年から地元との協議を始め、市内整備決定から5年半が経過した昨年9月に合意に至った。地元は、施設で使った水を外部放流しない「クローズド型」であることなど安全面が確認できた―と受け入れを決めた。

しかし、辰野町の住民の理解は得られなかった。10~11月の説明会では「一方的な決定に憤りを感じる」「安全な施設なら有賀峠の辰野側でなく、諏訪市の平たん部に造ればよいのではないか」などと反対の声が相次いだ。

市は交渉の過程を明らかにしてこなかった。「地権者である板沢の皆さんとの合意が第一。公表までは明らかにしないとの約束は破るわけにはいかなかった」と説明。「合意前に候補地を公表して、もし地元から受け入れられないとの意向が示された時の影響の大きさを考えると公表はできなかった」とする。

地元との合意後に組合議会や構成市町の議会に報告、その後に近隣住民に説明した。同市の伊藤幸彦・市民部長は「手順としては間違っていなかったと考えている」と話す。藤森邦明・板沢区長は「区としては成り行きを見守るしかない」としている。

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