片倉館は諏訪の宝 近代建築の専門家ら講演

LINEで送る
Pocket

国重要文化財・片倉館について知識を深めた講演会。大広間で90人が熱心に聞き入った

諏訪市教育委員会は12日、国重要文化財・片倉館(湖岸通り4)に関する講演会を同館大広間で開いた。市内外から約90人が参加。講師を務めた近代建築の専門家は、和洋折衷建物の意匠的価値に加え、実業家が公共福利厚生施設として建設した歴史的価値の高さをとりわけ強調し、「諏訪の宝」として引き続き保存、活用、発信をしていくよう呼び掛けた。

「シルクエンペラー」と呼ばれた片倉組2代目の片倉兼太郎が建設し、1928(昭和3)年に竣工した。設計者は台湾の多くの官庁建築を手掛けた森山松之助(1869~1949年)。昨年6月に重文指定5周年を迎えた。

工学院大建築学部教授の後藤治さんは「中に入ると和風だが外から見ると洋風。日本人による本格的な洋風建築の代表例」と解説。「富を地域に還元しようと企業家が造った福利厚生施設。歴史的価値を有する」とし、会館棟1階に複数ある和室は「ゼミ室のよう。(従業員らに)勉強の場として活用してほしいという意図がうかがえる」と指摘した。

温泉施設で初めて重文指定された愛媛・道後温泉本館を紹介。「お風呂に入り、その後『坊っちゃん団子』を食べながら休憩するのが定番。片倉館も入浴後に休憩したくなる仕掛けがあれば楽しくなる」と提言した。また、同市小和田にある共同浴場・平湯も「諏訪の宝だ」と強調した。

名古屋大大学院教授の西沢泰彦さんは、森山松之助に焦点を当てて講演した。片倉館の山崎茂館長は「諏訪の、国の宝だと確信している。講演を通じて、多くの人が魅力を再発見していただければうれしい」と話していた。

おすすめ情報

PAGE TOP