2017年02月21日付

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社会心理学に「予言の自己成就」という言葉があるそうだ。未来はこうなるという確信が強ければ強いほど、そうなる確率が高まるという教えだ。簡単に言うと、「願えば叶う」ということか▼この言葉を知ったのは東京大学名誉教授の神野直彦さんの文章からだ(「全論点 人口急減と自治体消滅」時事通信社)。人口減少や少子高齢化対策に多くの自治体が苦慮する中、神野さんは「人口減少にいたずらに脅える必要はない。人間が安心して生まれ、育ち、老いていける社会」を築けば課題は解決される、と記した▼先ごろ、下諏訪町で商店街の空き店舗を活用した移住交流拠点がオープンした。移住希望者への情報提供や交流の場としての役割が期待されている。住民も後押しするそうだ。伊那市と駒ケ根市では移住希望者の見学会や体験会が開かれた。季節を変えて何回か開催し、安心して移住してもらおうという試みだ▼人口増対策はただ人が増えればよい、というものではないだろう。下諏訪や上伊那の取り組みは、移り住む人と、もとからの住民が、ともに安心して暮らせる地域づくりを目指していることが伝わる▼自治体が新年度予算案を発表する時期を迎えた。人口増や少子化対策には特効薬はないだろうが、「予言の自己成就」に従えば、悲観していてばかりでは良き未来は得られない。できることの積み重ねが成果につながると思いたい。

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