日本のふるさと中国へ 原田泰治さんの本発刊

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日本の情景を描き続ける画家・原田泰治さん(76)=諏訪市=の作品222点と文章を収録した「ふるさと日本百景」が、中国の大手出版会社北京颶風社から発刊された。翻訳本は「ふるさと、心にのこる風景」の題名で美術本として制作。同国の通常書籍の約3倍の定価設定だが、読者から「自分の古里を思い出させてくれる」と好評で、読書評価をする大手ネット書店からも高い評価を得ている。

「ふるさと日本百景」は2009年、講談社が「ART BOX」シリーズとして発行、同社の創業百年を記念した一冊。作品は全国各地を巡って描いたもので、47都道府県の全てを網羅、諏訪地方の「氷もち」や「福寿草」「諏訪湖の夕暮れ」などもある。

作品は北海道から沖縄までを7ブロックに分けて収録、各ブロックの扉に取材地を記した地図を挿入。文章は取材で出会った人たちや体験などを、原田さん自身の言葉でつづっている。

翻訳出版の申し入れは一昨年、北京颶風社から講談社にあった。すでに講談社が多くの作品を許諾している出版社で、原田さんも「少しでも国際親善に寄与できるなら」と快諾、実現した。

翻訳本は、サイズと表紙を中国人好みにしたが、それ以外は全て「日本百景」と同じ内容で諏訪の風景、原田泰治美術館も紹介されている。

講談社によると一般的な初版部数は5000~8000部程度だが、今回の本は1万部。定価1400円と高いが、読者の反応は「とても良い」。大手ネット書店からは「(作家の)故郷への愛情があったからこそ、こんな温かい本ができるのだ」との評価が寄せられているという。

講談社国際ライツ事業部の田村良さんは、「中国の方々は日本の自然環境への憧れがとても高いと感じる。この1~2年、爆買ツアーより日本の地方への観光を楽しむ中国人ツアーが増えていると聞く。こうした風潮も本書の評価につながっているのでは」。

送られてきた翻訳本を手にした原田さんは、「印刷、装丁もしっかりしている」と目を細め、「急成長し変わりつつある中国。国は違っても古里への郷愁は同じではと思う。あらためて日本の古里を残してきて良かった」と話している。

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