ヘルプマーク広がれ 西森さん普及活動

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見本のカードとタグを手に、ヘルプマークの普及・啓発に取り組む西森さん

外見からは分からなくても援助や配慮を必要としている人のための目印「ヘルプマーク」を県内に普及させようと、南箕輪村中込の病院事務職員、西森一博さん(42)が信州ヘルプマーク普及作戦実行本部をつくり、活動を始めた。自身の経験から必要性を痛感し、たった一人で始めたボランティア。「企業の協賛を得てカードや身に付けるタイプのタグを作成し、必要とする人たちに配りたい。まずは上伊那で実績をつくり、いずれは全県に広げたい」と話す。

「父のことがなければ、ヘルプマークのことを考えることもなかった」と西森さん。10年以上前の冬の日、くも膜下出血の後遺症により若年性の認知症になった父親が家を出たまま行方不明となった。近くを捜しても見つからず、警察に捜索願いを出し、不安な一夜を過ごした。見つかったのは自宅から40キロ以上離れた塩尻。降り出した雪が積もり始めていたという。

「父の認知症は見た目では分からなかった。あのとき目印になるようなマークがあったら、もっと早く見つけてあげられたのかも…と、父が亡くなってからもずっと気にしていた。たまたま、東京都のヘルプマークの存在を知り、これだと思った」。

西森さんは普及啓発のために自らが代表を務める任意団体「信州ヘルプマーク普及作戦実行本部」を設立。東京都へのヘルプマークの利用申請を済ませ、今年から本格的に活動を開始した。

想定している使い方は、身に付けるタイプの「タグ」と、ヘルプマークを利用した緊急連絡カード「ヘルプカード」。東京都のガイドラインに沿って作り、都内をはじめ、普及が始まっている他府県でも使えるようにする。最初はカードでマークの普及を図り、協賛企業等の賛同者の見通しが立った段階でタグの製作・配布を進める計画だ。

ヘルプカードは、都の指定様式がある表面以外はある程度自由にデザインできるという。勤務先の病院で救急事務を行う西森さんは、緊急連絡カードとしての機能を高めるため、医師や看護師、救急隊員らが必要とする情報を書き入れられるように工夫する予定だ。協賛の広告枠を設け、企業には社会貢献活動として参加してもらえるように協力を呼び掛ける。

防災士の資格を持つ西森さんは、大規模災害時にもヘルプマークが力を発揮するとみる。「避難所で援助や配慮が必要な人がいたとして、気づいてあげられるだろうか。外見では分からない人が支援の意思表示をするものがあれば助けになる」と強調。「自助の手伝いをするのがヘルプマークで、困っている人に『大丈夫ですか』と声を掛けるきっかけになる」と普及したときの効果も期待する。

「まずはこのマークがどういう意味を持っているのか皆さんに知ってもらい、それを身近な人に伝えてもらい、広めることから始めたい」と西森さん。「持つ、持たないは自由で、あくまでもご自分で意思表明するのがヘルプマーク。ご高齢の方も安心のために身に付けたらどうか」と提案している。

信州ヘルプマーク普及作戦の詳細はホームページ参照。問い合わせは西森さん(電話050・5317・7740)へ。

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