蓼科の別荘地に診療所 松井さんが開設

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蓼科山を背にして山荘のバルコニーに立つ松井さん

標高1500メートルの蓼科高原に“森の診療所“がお目見え―。横浜市出身の医師、松井豊さん(76)が、往診専門の診療所「松井内科医院」を茅野市郊外の蓼科ビレッジ別荘地内に開設した。「できる範囲で別荘地の皆さんのお役に立てれば」と意欲的。県諏訪保健福祉事務所は、諏訪地方で別荘地内への診療所開設は「聞いたことがない」と話している。

松井さんは横浜市立大医学部卒。神奈川県立成人病センター(現県立がんセンター)などに勤務後、1978年に横浜市に「松井内科医院」を開業した。1日に100人を診察する多忙な暮らしに見切りをつけ、2001年にカナダ・バンクーバーに移り住んだ。

15年に帰国する際、40年以上前に建てた蓼科の山荘での暮らしを選んだ。診療所は「医師として人生を全うしたい」と考え、昨年7月に開設。妻を横浜に残し、蓼科の自然や趣味のスポーツ、執筆活動を楽しみながら、別荘地内で医療活動を続けている。

別荘地では 高齢者を中心に定住する人が増え、介護や医療のニーズが高まっている。必要に応じ、近くの老人ホーム「エクセレントライフ蓼科」の厚意で診察室を使わせてもらい、心電図や腹部の超音波といった検査を実施する。病院への紹介も行う。

別荘利用者でにぎわった昨年夏は、ハチ刺されや、風邪、腰痛、東京の自宅に忘れた薬の処方、転倒による打撲など、さまざまな症例に対応した。多い日で1日5人を診察したという。

経営面では“赤字”だというが、松井さんは「医者っていう仕事が好き。案外感謝もされる。医者がいることで別荘地の皆さんの安心感につながれば。今の暮らしにはとても満足しています」と笑顔で話していた。

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