2016年3月18日付

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貧乏な人とは少ししか物を持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ―。ホセ・ムヒカ元ウルグアイ大統領の言葉。現代日本に潜む本質的な部分を率直に言い当てているようで強烈な印象を受けたものだ▼世界で最も貧しい大統領といわれ、日本ではすっかり死語化された「清貧」を地でいく人生。昨年2月に任期を終えた今も、その人気は衰えるどころか、広がりを見せているという。それは、誰もがうすうす感じていながら言えなかったことを率直に述べ、自ら述べた言葉に反しない日ごろの姿勢があるからなのだろう▼大統領時代は、報酬月額約115万円の9割ほどを福祉財団に寄付。市街地から離れた水道も通っていない農場に住み、運転手付きの高級車ではなく約30年前に購入した自家用車を自ら操っていたという▼「お金があまりに好きな人は政治の世界から出て行ってもらう必要があります」「政治とは全ての人の幸福を求める闘いです」。この言葉を日本の政治家はどう受け止めるだろうか。政権は変われど、不祥事の絶えない体質は変わらない今の政界に対し、最適なカンフル剤になると思えてならないのだが▼その元大統領が4月、日本の出版社の招きで来日し記者会見や講演を行う。初めて足を踏み入れた東洋の先進国の政治や社会、民俗を、どう感じるだろうか。どんな言葉を残すのだろうか。

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