ビロードモウズイカ減少 南アルプス林道

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主な外来植物の除去量(南ア林道)

南アルプス食害対策協議会が2014年度から、伊那市長谷の南アルプス林道で行っている外来植物除去活動で、取り除いた外来植物の量と3年間の推移がまとまった。活動参加者が外来種の判別に慣れてきたこともあり、抜き取った量は年々増加しているが、ビロードモウズイカは16年度、除去量自体が約17%減少した。実態調査を兼ねて活動に参加している信州大学農学部の渡邉修准教授(雑草学)は「最初のターゲットにしたビロードモウズイカはおそらく減っている。1・5メートルを超えるものは非常に少なくなった」と話す。

除去作業は外来植物が種を落とす前の夏場に行い、今年度が3回目。毎年約30人が参加して根元から抜き取り、繁殖を抑える活動を展開している。初年度の除去量は40キロ程度だったが、2年目は120キロを超え、昨年7月29日に行った3年目の活動では140キロ近い外来植物を抜き取った。今年2月に開いた今年度の活動報告会で、事務局の伊那市耕地林務課は「1年目は手探りで、何を取ったらよいのかよく分かっていなかったが、2年目以降、外来種が分かるようになり、参加者の意欲も出てきて、抜き取りが進んだ」と説明した。

種類別ではヒメジョオン・ハルジオンが多く、16年度の除去量は97・5キロ。次いで多いのがビロードモウズイカで、今年度は前年より6・5キロ少ない31・5キロだった。

作業は戸台大橋(標高960メートル)―歌宿(同1680メートル)の約11キロ区間で行っている。標高の高い場所から外来植物を減らしていくことを目標に取り組んでおり、渡邉准教授によると、上の方は減ってきているという。下の方に多いヒメジョオンは、参加者の目が慣れてきたことで小さな個体でも見つかるようになり、抜き取り量が増えているとみられる。

外来植物の分布は林道沿いが中心で、渡邉准教授は「車によって種が持ち込まれたことは間違いないが、路面工事で持ち込まれた土に種が入っていた可能性だけでなく、工事車両のタイヤに種がついていて増えたものもあるだろう」と推測する。

林道沿い以外では、黒川の河川敷で外来種のブッドレアが繁茂しており、標高の高い場所まで勢力を広げてくることが新たな脅威という。ブッドレアは低木で根を張るため、簡単に抜き取ることができず、根絶が難しいとされる。渡邉准教授は「河原を好み、石灰岩地形で増えるとみられ、林道沿いに広がるとは思えないが、山荘の情報によると、川の上流まできている。戸台川を上って、ある程度登山道に入ってくる可能性はある」と話している。

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