2017年03月03日付

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この時期になると耳に入ってくる童謡「うれしいひなまつり」。近年は住宅事情などから人形飾りは「お内裏さまとおひなさま」の親王飾りが主流で「五人囃子」や「三人官女」ら従者衆が彩る七段飾りなどは家庭から減りつつあるようだ▼人形飾りが簡素になる一方で、つるし飾りが増えているという。着物の布などで作った小さな人形をひもでつなげ、木製の輪などにつるす華やかな飾り。九州や静岡、山形などから全国に広まっているとされる▼このつるし飾りが海を越え、ネパール・ポカラ市で新たな命の誕生を祝っている。友好都市・駒ケ根市の市民団体「あつい!こまがね」の有志が昨年5月に始めた交流事業。「ネパール交流市民の会」の「母子保健プロジェクト」に合わせ、つるし飾りに使う「六つ花」を手づくりして現地で支援する病院の新生児に贈っている▼プロジェクトマネジャーの北原照美さんによると、現地では医療環境の未整備に加え、妊産婦への理解不足が課題。日本からの贈り物は妊産婦が祝福されていることを実感できる機会になっているといい、感激した母親の1人は愛娘に「さくら」と命名した▼プロジェクトにより出産件数は当初の月2件から10件以上に増え、贈った六つ花は200を超えた。つくる側からはうれしい悲鳴が聞こえてくるが、いつか六つ花が交流のシンボルになればと、ひな祭りの日に夢想してみた。

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