八島ケ原湿原のシカ侵入 年間1頭、滞在1日

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ニホンジカの食害や踏み荒らし被害をなくすため、外周4キロを防護柵でぐるりと囲う霧ケ峰・八島ケ原湿原(下諏訪町、諏訪市)=国天然記念物=で、今年度に湿原に入り込んだシカは1頭で、滞在時間はわずか1日程度と推定されることが2日、信大農学部の調査で分かった。「侵入頭数は徐々に減り、長期の湿原利用も見られなくなった」と説明。「効果の持続」に向けて維持管理を引き続き徹底するよう求めている。

美しい環境づくり諏訪地域推進会議などが諏訪市内で開いた「ニホンジカ食害対策報告会」で、農学部の泉山茂之教授と瀧井暁子助教が明らかにした。

防護柵は高さ2メートルで、林野庁のモデル事業を活用して2010年度に半周が、11年度に全周が完成した。農学部は一部個体にGPS発信器を付けたり、柵周辺に自動撮影カメラを複数置いたりしてシカの行動変化や侵入状況を継続調査している。

瀧井助教によると、全周完成後に湿原内侵入したのは10頭おり、大雪で破損し、高さが不足した箇所などから飛び越えたとみられると解説した。11、14年度にはそれぞれ3頭の侵入を確認。中には300日以上湿原内にとどまる個体もいた。

今年度の1頭は幼獣で、瀧井助教は、カメラの映像から6月1日に侵入し、その日のうちに柵外へ出たとみられるとした。無理をして柵を飛び越えようとする行動も減っていると分析。散策者用ゲートの閉め忘れが対策を台無しにする可能性があるとして、散策者への注意喚起を継続することも改めて呼び掛けた。

一方、同日開かれた霧ケ峰自然環境保全協議会で、県は霧ケ峰やその周辺で行うシカの出現状況調査(ライトセンサス)について報告。一昨年をピークに発見頭数は減少しているとした。

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