ドローン配送実証実験「成功」 伊那市長谷

LINEで送る
Pocket

着陸地点の上空に到着したドローン。マーカーを読み取り、降下する

ドローン(小型無人機)を使った荷物配送の実証実験が3日、伊那市長谷で行われた。自動の離着陸や飛行を支援する「物流用ドローンポートシステム」の実用化に向け、システムの有効性や課題を検証する狙い。ドローンは予定したルートを順調に飛行し、正確に着陸地点に到着。開発責任者の鈴木真二・東京大学教授は「成功」と手応えを強調した。

実験では荷物(雑穀約500グラム)をドローンに取り付け、道の駅「南アルプスむら長谷」を出発。高度約30メートルで長谷高齢者専用住宅までの約400メートルを3~4分で飛行した。

ドローンにはカーナビゲーションにも使われているGPS(全地球測位システム)とカメラによる画像認識システムを搭載。発着地点に設置した3メートル四方のドローンポート(離着陸場)へあらかじめ入力したGPSの座標で誘導した。ドローンポートの上空に到達したところで画像認識システムに切り替え、目印のマーカーを読み取り、中心部へ着陸した。

鈴木教授によると、GPSでは10メートルほどの誤差が生じることから画像認識システムと組み合わせることで高精度の着陸が可能。この日は使わなかったが、Wi―Fi(ワイファイ)電波の発信装置を使えば100メートルほどの高度から正確に着陸させることもできるという。

鈴木教授は「ピンポイントで下りることができた。100点に近い成功だ」と強調。実用化に向け「今回は天気が良く、コンディションに恵まれた。もっと厳しい状況でも使えるようにすることが課題だ」と話した。

伊那市はあらゆるものがインターネットにつながる「IoT」による新産業創出を目指し、ドローンの活用も積極的に推進している。実験に協力した白鳥孝市長は「素晴らしい技術だ」と高く評価。過疎地域の買い物弱者支援や農林業分野への活用に改めて期待を寄せた。

同システムは国土交通省が東大とドローンのシステム開発などを手掛けるブルーイノベーション(東京)に研究開発を委託。同省は2018年ごろまでにドローンによる荷物配送の実用化を目指しており、安全性の確保や機体性能の向上、事業の採算性などの課題解決に向けて研究を進めているという。今回の実験では、安全な離着陸をポイントに挙げた。

おすすめ情報

PAGE TOP