哲ちゃんの粋な世界 小川さん初の邦楽CD

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青春時代から今に至るまでを思い出し初の邦楽CDを制作した小川哲男さん

長年三味線に親しみ、長唄・小唄の名取である小川哲男さん(89)=茅野市ちの=が、生涯を通じて積み重ねた“芸能生活”を振り返り、おはこなど18曲を収録した初の邦楽CD「哲ちゃんの粋な世界」を制作した。

小川さんは、寒天産業でにぎわいをみせた同市清水川通りのお茶屋街の商店に生まれた。芸者衆の三味線や太鼓の音を聞いて幼少期を過ごしたことが後の音楽人生への始まりだったと振り返る。高校時代にギターを覚え、30歳を過ぎてから本格的に長唄や三味線を習い始めた。

「粋」「洒落」などの感性を言葉や音で表現する日本の伝統芸能の魅力にひかれた。経営者仲間にも愛好者の輪が広がり、稽古場をつくりみんなで腕を磨いたことも良き思い出。弟子もでき、演奏会も開く。90歳に近づき病院通いの日々だが「今までやってきたことを日本の伝統芸能の一つとして声で残しておきたい」とCD制作を思い立ち、昨年12月に収録した。

CDの内容は、青春時代の懐かしいギター曲、オリジナル曲の「啄木の唄」「春の小川」、長唄「岸の柳」、小唄・端唄「酒と女」「から傘の」「さのさ」など。長唄やお座敷歌についての説明、昔の思い出などをしみじみと話す「語り」も収めた。唄はすべて小川さんで、演奏は、両角美智代さん、豊静音さん、静多華乃さんが三味線、大庫こずえさんが琴と三味線。小川さんがギターや三味線を弾く曲もある。収録時間は約1時間10分。タイトルに、愛称の「哲ちゃん」を使ったのも、周囲から愛されている小川さんの人柄だ。100枚制作し、知人や邦楽仲間に配っている。

小川さんは、東洋精機工業社長(現相談役)、茅野商工会議所会頭、地域の要職を務める傍らで「粋な人生」をライフワークにしてきた。41年続く「茅野どんばん」を立ち上げ、今日まで関わる一人でもある。「いつでも目標をもって生きていきたい」と心境を話している。

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