2017年03月06日付

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「壁を造って、金は壁の向こう側に支払わせる」。米国大統領のこんな言葉を聞き、多くの人が「そんなことができるのか」と思っただろう。そして行き来を妨げる壁よりも、「心の壁」の存在に恐ろしさを感じたのではないだろうか▼やたらとそこらに壁は造れないが、心の壁となると誰もが他人事でなくなる。心の中の小さなしこりが、知らないうちに見えない壁をつくることは、よくあることではないか。しこりは知らないことによる偏見だったりする▼そんな社会に根深い誤解の一つを思いやりに転換しようと、国連が呼び掛けて定めたのが毎年4月2日の「世界自閉症啓発デー」。これに合わせ、自閉症や障がいのある全ての人に向けられた障壁をなくそうと、「癒やし」や「希望」を表す青色の照明で象徴的な建物を照らし出すブルーライトアップが、各地で広がっている▼この青色のライトアップに参加する茅野市民館で3日、ピアニスト小川典子さんが自閉症や障がいを持った人の家族を対象に演奏会を開いた。小川さんは自閉症などを持つ人を「強い個性を持った人」と呼ぶ▼その心は鏡のようで、家族の気持ちの動きが映し出される。家族の気持ちが平安であってほしい、と奏でたピアノ演奏会だ。小川さんは、「強い個性の人」には「あえて意識をしないことが、一番自然なこと」と話した。自然にいることが壁をつくらないことだという。

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