9人全員の死亡確認 県消防防災ヘリ墜落

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岡谷市と松本市にまたがる鉢伏山(1929メートル)の山中で5日に消防隊員ら9人の乗った県消防防災ヘリ「アルプス」が墜落した事故で、県警と自衛隊、消防は6日救助活動を再開し、機体の中で残されていた6人を発見し、松本市内の病院に収容したが、いずれも死亡が確認された。ヘリにはパイロット1人、整備士1人、消防隊員7人が搭乗していた。5日に収容された3人を含め9人全員が死亡する、県内のヘリ事故では最悪の結果になった。

離陸してから約15分後にヘリから来るはずだった無線連絡がなく、この間に何らかのトラブルを起こした可能性のあることが県への取材で分かった。

県によると、ヘリは墜落現場近くの前鉢伏山付近で降下訓練をする予定で、5日午後1時30分に松本市の信州まつもと空港を離陸した。15分ほどの距離にある高ボッチ高原の臨時ヘリポートに搭乗員1人を降ろしてから訓練を始める予定だったが、県消防防災航空センターに訓練開始の無線連絡がなかった。その後も同45分から断続的に無線で呼び掛けたが応答がなかったため県危機管理部に通報。県警ヘリが山中に墜落している機体を発見した。

県によるとヘリは裏返った状態で大破し、テールローターが折れていた。機体右後部にいた隊員がヘルメットに装着したカメラに、離陸から墜落までの映像が残されていたことも判明。7日から引き続き警察、国土交通省運輸安全委員会の航空事故調査委員会らが調査し、墜落原因を究明する。

国土交通省によるとヘリには飛行データを記録するフライトレコーダーやパイロットの会話を録音するボイスレコーダーは搭載されていなかった。県危機管理消防防災課によると、県消防防災航空センターではヘリの運行状況を確認する装置を所有しているが、救助や訓練で高い標高まで上がる際には重量をできるだけ軽くするため、今回は搭載していなかった。

6日の救助活動には県警と自衛隊のほか、消防庁を通じて応援要請した山梨、埼玉、岐阜各県の防災ヘリが出動。未明に現地までの除雪を完了し、地上からも午前4時に現地へ向かった県警、自衛隊、県消防の救助隊約100人が救助に当たった。県消防課によると、現場は雪が深く、除雪に難航しながらの作業になった。

県は、中島恵理副知事と保健師4人を亡くなった消防隊員らの家族が集まった消防防災航空センターに派遣。家族に付き添い、心のケアに努めた。

県警は5日に収容したうち身元が判明していなかった1人をパイロットの岩田正滋さん(56)=松本市神林=と発表した。6日に収容したのは整備士の清水亮太さん(45)=同=、いずれも消防隊員の伊藤渉さん(35)=同市島内=、高嶋典俊さん(37)=同市村井町=、大工原正治さん(42)=同市神林=、瀧澤忠宏さん(47)=同市島内=、小口浩さん(42)=塩尻市広丘=。墜落場所は松本市入山辺と特定した。

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