2017年03月09日付

LINEで送る
Pocket

紙面いっぱいの桜に高島城の天守閣と青空。3月1日付小紙ラッピング紙面を飾った写真だ。春らしさが満載。1枚の写真は時に言葉よりも多くのことを語り掛ける▼金正男氏の殺害事件で実行犯として起訴されたフォン容疑者の姿が写真で報じられた。泣き腫らしたような顔で前を見つめる表情が強い印象を残した。報道によると巻き込まれた形で犯行に及んだのではないかと推測される。内面にあるのは恨みか後悔か。事件は人生を一変させた。1枚の写真が容疑者の心境までも切り取ったかのようだ▼変わって東日本大震災から6年を迎える宮城県南三陸町。震災後、住民の暮らしやまちの移り変わりを撮影する男性がいるという。こちらの写真には、子どもたちの笑顔も並ぶ▼周囲の人は大半が知り合い。最初はカメラを向けることにはつらい気持ちがあった。そんな中、住民から「全部撮ってね」などと声を掛けられ、撮り続けた。避難所で元気に掃除に取り組んだり、節分の豆まきを楽しんだりする子どもたち。男性は写真を見ると笑顔と日常が戻ってきたと感じるという▼ただ、被災地の現状は厳しいようだ。仮設住宅で暮らす人は、岩手、宮城、福島の3県で3万5000人超。仮設解消の見通しは立っていない。福島第1原発の事故は多くの人の生活に影を落とす。以前の当たり前の日常を納めた写真が増えるのはいつになるのだろうか。

おすすめ情報

PAGE TOP