2016年3月19日付

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卒業シーズンになると、思い出すテレビドラマがある。おなじみの「3年B組金八先生」である。特に名作といわれる第2シリーズが印象に残る▼武田鉄也さん演じる坂本金八の中学校に札付きの不良・加藤優が転校してくる。非行や校内暴力が社会問題となっていたころ。優は次第に金八と心を通わせるが、厄介者として放り出した元の学校や教師への怒りから警察を巻き込んだ大騒動を起こす▼体面を保つため厳しい処分を求める学校や警察に対し、金八は言う。「問題が起こったっていいじゃありませんか」。そして「彼らはまだ未熟なんです。だから間違うんです。間違ったら繰り返し繰り返しそれは間違いだと教えてやる。それが教育なんです」と。生徒への深い愛情に心を打たれる▼広島県府中町の中学3年の男子生徒が自殺した問題では、万引きをしたという誤った記録に基づく進路指導が原因とされる。報道で知る限り、亡くなった生徒はまじめで頑張り屋だったという。そんな姿を教師も見ていたのではないか。それよりも形式的な記録を重視し、機械的な対応に終始する姿勢には疑問を抱かずにいられない▼ドラマとはいえ、もし金八先生だったらと考えてしまう。生徒を心から信じ、体当たりで飛び込んでいく。「われわれはミカンや機械を作っているんじゃない。毎日人間を作っているんです」-。金八の言葉をあらためてかみしめる。

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