「中村家住宅」を観光拠点に 伊那市教委

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伊那市教育委員会は、同市高遠町西高遠にある江戸町家「中村家住宅」を新たな観光拠点として整備する。周辺の神社仏閣や高遠藩ゆかりの石職人の集団「高遠石工」の石仏などと組み合わせ、歴史的な街並みを楽しむ観光コースとして誘客を図る考えだ。同住宅には飲食が提供できるよう厨房などを設ける計画で、2018年4月のオープンを目指す。

市生涯学習課によると、中村家住宅は江戸時代前期から中期の特徴を示す町家形式(棟割り長屋)の建物。初代高遠町長を輩出し、高遠町ゆかりの書家・画家の中村不折とも縁があることを踏まえ、昨年、所有者からの寄付を受け入れ、活用に向けて検討を進めていた。

建物は傷みも見られることから、耐震化と合わせた改修を計画。厨房やそば打ち体験のスペースを整備する。併せて、近くの県宝「旧馬島家住宅」にも厨房を新たに設け、茶の間や座敷を飲食スペースに充てる。総事業費は約1億4900万円で、地方創生に関する交付金を活用。3月補正予算案に工事請負費などを計上し、8月の着工を予定している。

市は「江戸町家の活用による城下町体験事業」として中村家住宅、旧馬島家住宅の活用を構想。街並みを巡ったり、そばやまんじゅうなどの食とも組み合わせた観光コースを提案する。今後、地元関係者と懇談の場を設け、施設整備や管理運営について意見を交換する。

9日の市議会3月定例会一般質問では、設計や運営主体がはっきりしない中で1年後のオープンを目指すという市の計画について懸念する意見も出された。

これに対し、市教委は「基本的には耐震化を中心とした整備で、江戸町家の趣を残し、現在の間取りや雰囲気が大きく変わることはない。設計と並行して運営主体も地区の皆さんと協議していく」と説明した。

白鳥孝市長は「庁内検討委で検討した結果、事業として成り立つと判断した」と強調。「高遠が花見だけでなく、通年観光を目指し、食や伝統的な文化を織り込みながら中村家住宅を活用していきたい」と述べた。

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