温暖化で羽化予想早まる 松くい虫の媒介昆虫

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マツノマダラカミキリ羽化脱出予想日

松くい虫被害をもたらす病原体「マツノザイセンチュウ」を運ぶ媒介昆虫マツノマダラカミキリの羽化・脱出予想時期が、温暖化により早まりつつある。県上伊那地方事務所林務課によると、2016年の羽化予想日は管内の標高の比較的低い地域で、平年より2週間ほど早かったとみられる。健全木に対する予防薬剤散布はマツノマダラカミキリの発生期に合わせることが重要とされており、適期防除のために同課は、関係市町村への羽化予想に関する情報提供に力を入れる。

マツノマダラカミキリの羽化・脱出について県内では、積算温量(マツノマダラカミキリの発育限界温度を11・5度として、日平均気温が11・5度を超えた日について、その日の平均気温から11・5度を差し引いた値を累積)が300(単位は日・度)を超えたあたりが目安になるとされる。

同課は、気象庁の無人観測施設アメダス(地域気象観測システム)のデータを基に、伊那(標高633メートル)と飯島(同728メートル)の気温を分析し、マツノマダラカミキリの羽化・脱出の初発日を予想。10日に開いた上伊那地方松くい虫防除対策協議会で報告した。

それによると、昨年伊那で積算温量が300を超えたのは6月9日で、過去10年の平均気温から算出した平均羽化・脱出予想日(6月21日)と比べると2週間近く早かったことが判明。同課では「標高が低いところでの羽化・脱出の目安は6月の上旬で、比較的早い時期に羽化・脱出が始まったのではないか」と分析した。飯島でも結果は同様で、積算温量が300を超えたのは6月20日で、過去10年の平均(6月26日)よりも6日早かった。

温暖化の影響で、積算温量から算出する初発の予想日は早まる傾向にある。伊那の場合、12年以降は平均よりも早い羽化・脱出予想が続き、15年はデータを分析した06年以降では最も早い6月5日だった。

同課では、松くい虫被害の予防のために薬剤散布を行う市町村に対して羽化・脱出予測情報を提供していく方針。担当係では「このタイミングで薬剤散布するのが有効で、予想を参考にして防除を進めてほしい」と呼び掛けている。

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