アプリ開発費全額削除へ 富士見町議会特別委

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富士見町議会の予算審査特別委員会は13日、町の2017年度一般会計当初予算案から携帯端末向けの観光、農業支援アプリケーションの開発費計1443万円を全額削除する修正案を賛成多数で可決した。14日の本会議でも修正案が可決されれば、同事業の関連予算案は3回続けて認められず、極めて異例の事態を迎える。

同特別委は全議員11人で構成する。修正案は、観光アプリ改善のための開発委託費800万円と、農業支援アプリ試行版の開発委託費約644万円を削除する内容。採決は加々見保樹議長、小池勇委員長、退席した名取久仁春氏を除く8人で行われ、小林市子、川合弘人、五味高幸、三井新成、名取武一、五味平一の6氏が賛成した。

町の原案賛成は織田昭雄、矢島尚の2氏。名取久仁春氏は、観光アプリの開発費のみを削除する独自の修正案を一度提出したものの、取り下げた。本会議での提出を目指すもようだ。

修正案を提出した小林市子氏は理由について、農業アプリは、誘致企業の支援を主張してきた小林一彦町長と、開発委託業者を決めていないとする担当課との説明に「整合性がなく、事業の詰めが甘い」と指摘。観光アプリは「(2016年度開発の)精度の低いアプリにこれ以上費用を投入するより、完成品の納入を企業に求めるべき」と主張した。

賛成者の主な理由は、「民間が主導すべき事業」との意見や、「町民に我慢を強いて移住者に税金を投入している」「町長が単独で進めている。もっと職員の意見を受け入れるべきだ」など小林町長の政治姿勢に対する反発だった。

同特別委の採決結果について小林町長は、「これまで2500万円をかけて開発したアプリを捨てることになる。衰退の危機にある菊栽培の復活や、人口減抑止などあらゆるチャンスを全て意識的につぶすなどあまりに理不尽だ」と憤りをみせた。

町のアプリ開発は16年、誘致したIT関連企業の技術活用と、企業の地元定着を目的とした人口減対策としてスタート。初年度は国の地方創生関連交付金を取り入れて約2500万円で入笠山の花を識別、記録する観光アプリを開発した。

昨年の町議会9月定例会で、観光アプリの改良費500万円に加え、新たに農家支援、健康増進のアプリ開発にも着手するとして各1000万円、計2500万円を追加した一般会計補正予算案を提出したが、全額を削除する修正案が可決された。町はこれを不服として11月に臨時会を開き、観光と農業支援に絞った事業費約1140万円を追加する一般会計補正予算案を提出したが、否決された。

町は議会側の理解を得るため再三にわたってアプリの内容や有用性を説明。業者を交えた試作品の紹介や、若手農業者との懇談の機会を設けてきた。

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