2017年03月15日付

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半数以上の高齢者が車で買い物に行く。そして、将来車に乗れなくなったときの不安を漠然と抱いている―。そんな調査結果を聞いたばかりだったこともある。小型無人機(ドローン)を使った荷物配送の実証実験のニュースには興味を持った▼機体の性能が向上し、米や野菜といった重量のあるものも運べるようになれば、買い物に出掛ける交通手段のない人たちへの支援に役立つかもしれないからだ。電話やインターネットで注文し、届くのを自宅で待つ…。実現すれば、確かに便利にはなる▼伊那市と市社会福祉協議会が流通経済研究所と共同で行った「食料品の買い物に関する調査」の結果報告会では、市内の後期高齢者世帯の買い物環境や意識が、回収した回答1269通の分析結果として示された▼驚いたのは90歳を過ぎても、およそ3割が週に1~2回程度買い物に行っていることだ。そして、買い物で重要だと思うことの一番は「実際に商品を目で見て選べること」。生活のための買い物だが、暮らしの中の楽しみの一つになっているのではないかとも思えるような結果だった▼効率と便利さばかりを追求すれば失うものもある。送迎を使うにしても、移動販売車に頼るにしても、買い物に出掛け、品物を見て、自分で選ぶ。店員や知人と会話をしてひとときを過ごす。そんな楽しみを奪わないようにすることも買い物支援の視点になるだろう。

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