2017年03月19日付

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彼岸に入り、墓参りに出掛けた。線香を手向け、先祖に感謝しつつ亡き人をしのぶ。目を閉じると、思い起こされるのは元気だった頃の姿。不思議と楽しい思い出ばかりがよみがえる▼9人が犠牲となった県消防防災ヘリコプター「アルプス」の墜落事故から2週間。遺族らの悲しみを思うと胸が詰まる。突然の別れに悔し涙を流すとき、心に浮かぶのは家庭での良き父であり、消防の使命に燃えていた姿かもしれない。改めて危険と隣り合わせの仕事だと思う。原因究明には時間がかかりそうだけれど、現場は待ったなしである▼一昨年3月末に岡谷市川岸地区で発生した大規模な山火事を思い出す。地上から、空から、懸命の消火活動が行われた。そこには、もちろん「アルプス」もいた。なかなか火の手は衰えない。日没後、航空写真が捉えた黒い山肌に走るオレンジ色の筋が不気味だった▼今回の事故で、県内で大規模な山火事が起きた場合、当面は隣県の消防ヘリに応援を求めることになるそうだ。担い手は変わっても危険な活動であることに変わりはない。春先は雨が少なく空気が乾燥し、山火事が起こりやすい。季節風も強く、いったん火が出ると消し止めるのは容易でない▼岡谷市の山火事の原因は、墓参りの線香とされる。たき火や野焼きも油断大敵だ。ちょっとした不注意が思わぬ災いを招く。これまで以上に火の取り扱いに気をつけたい。

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