伊那市公有地を一括管理 特別会計と基金新設

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伊那市は、市が保有する公有地を一括管理するため、公有財産管理活用事業特別会計と土地取得基金を新たに設ける。未利用地の売却を積極的に進め、財源確保や維持管理経費の削減を図るとともに、企業誘致を機動的に進めるため一定程度の産業用地を確保していく狙い。2017年度一般会計当初予算案に基金への積立金5億400万円を計上し、開会中の市議会3月定例会に提出している。

市によると、市が保有する公有地は約4800万平方メートル(15年度末)。うち公共施設用地など「行政財産」として活用されている土地は約276万平方メートル、5・8%にとどまる。大部分は行政目的のない「普通財産」で、財政課や関係課が所管している。

特別会計ではこうした既存の売却可能用地を集約し、一括管理して売却を推進。新たに公有地を取得する場合は同基金を財源として購入から売却までを一貫して行う。

市は13年度に市土地開発公社を解散。地価下落に伴い、先行取得とした土地の含み損の拡大が要因となった。この際、市に移管された土地は約16万平方メートルに上ったが、産業用地の売却などで現在は産業用地約6万6000平方メートル、一般用地約3200平方メートルまで減少。公社解散時に借り入れた第三セクター等改革推進債(三セク債)約20億円も定期償還と土地売却時の繰り上げ償還により約5億5000万円まで減っている。

こうした中、産業用地は今後も売却が見込まれることから、企業の要望に即応できるよう一定程度の用地を確保しておく必要があると判断。一方、土地開発公社の反省から、特別会計、基金で管理することで、土地の購入、売却時の繰入金、繰出金、基金積立金は予算計上、議会議決を求め、透明性を高める。

これに関し、市議会総務文教委員会では、企業誘致に向け「攻めの事業を展開してほしい」と期待する声が上がる一方、「先行取得の失敗が土地開発公社解散の原因。市内には空き地や空き工場がたくさんあり、先行取得のメリットはない」との異論も出た。林俊宏副市長は「企業誘致にはスピード感が必要で、ある程度“商品”を持っていないとよそに行かれてしまう。5億円の範囲内で買ったり戻したりする。増やす予定はない」と理解を求めた。

これに合わせて市は三セク債の残額の繰り上げ償還も行うことを決め、償還金約5億5300万円を16年度一般会計補正案に計上し、3月議会に提出。「三セク債も整理し、新たな出発を図る」(林副市長)としている。

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