耕作放棄地対策のヒツジ放牧 景観管理に効果

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伊那市の高遠町山村活性化協議会(守屋文裕会長)は24日、2016年度の山村活性化事業活動報告会を高遠町総合福祉センター「やますそ」で開いた。信州大学農学部の竹田謙一准教授(動物行動管理学研究室)は、耕作放棄地対策で行ったヒツジの放牧の成果を報告。3頭のサフォーク種を約3000平方メートルの耕作放棄地に131日間放牧した結果を、「11月の退牧時にはほとんどの雑草が食べ尽くされ、景観管理という点では成功した」とまとめた。

耕作放棄地対策として今年度、家畜を活用した景観管理を検討。おとなしく、扱いやすいとの観点からサフォーク種のヒツジを選定し、3頭(雌、7歳)を信大農学部から借りて放した。放牧地は同市高遠町藤沢水上の藤沢川右岸で、市販のフェンスで囲って整備。7月9日から11月17日まで放牧し、遊休農地の除草効果のほか、ヒツジの健康状態や、発信機を使った動物位置システムのモニタリング精度を調べた。

報告によると、放牧から59日目でササはほぼ完食。11月に入ると食べられる草がなくなり、餌用に干し草を補充して対応した。ヒツジの放牧により地域の人が自然と集まる場所になり、近くの保育園から園児が交流に訪れるなどの波及効果もあったという。

17年度は頭数を5頭に増やし、遅くとも5月中には放牧を始める計画。竹田准教授は「放牧場所の拡大については検討を要する。地権者の意向もあるが、景観を考えれば放牧地は道沿いになる。何に重きを置くかを考える必要がある」とした。

報告会では、東京農業大学の上原巌教授(林学・森林工学)が「カラマツ材等の高付加価値化」について発表し、活動報告を兼ねてカラマツの活用法を提案。信大農学部の山田明義准教授(応用真菌学研究室)は「カラマツ林の整備によるキノコ生産の可能性」について、今年度の活動実績を報告した。

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