相撲教習所講師22年 諏訪市出身渡部清さん

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相撲教習所の講師を務めて22年。現役力士のほとんどに書道と国語を教える渡部清さん=茅野市のみやこ美術

諏訪市出身でNHK大河ドラマなどのタイトルを手掛ける、書家で書道史研究家の渡部清さん(82)=東京都北区=は、日本相撲協会相撲教習所の講師を務めて今年で22年になる。入門してきた力士に半年間、書道と国語を教えている。白鵬関や稀勢の里関、御嶽海関など現役力士のほとんどは教え子で、これまで約1000人を指導。帰郷した渡部さんに教習所の様子を聞いた。

渡部さんは父親の麗江さんが書家で、小さいころから書道に親しんだ。諏訪清陵高校、東京教育大学を卒業し、同大大学院教育学研究科修士課程修了。1962年から94年までNHKアートデザイン部に従事し、大河ドラマ「花の生涯」「春日の局」や「新日本紀行」「シルクロード」などのタイトルを執筆した。傍ら横浜国大教授などを務め、相撲教習所は95年に着任した。

教習所は両国国技館内にあり期間は6カ月だが、場所中は休みで実質的には約3カ月間「通学」する。週5日制で相撲実技は毎日午前7時から9時まで、書道や国語、相撲史、運動生理学、相撲甚句などの教科は週1時間ずつ学ぶ。

書道の授業は、外国出身者が筆を持つことが初めてで、日本人も筆字を書くことが不慣れな人たちが多く、渡部さんは大きな手に自分の手を添え、まさしく「手取り足取り」で指導。受講者一人ひとりの本名や部屋名、何期生と書いた手本と、相撲道に通じる言葉「努力」「希望」「理想」などの共通手本を用意する。

新弟子は場所ごとに入るためカリキュラムは半年に一巡するよう組み、平均して50~60人、最も多い時は150人余が一堂に会して受講。「机もいすも大型で、室内を浴衣1枚でのっしのっし歩く様はこの世界そのもの」という。

稀勢の里関が入門したのは02年春だった。渡部さんは「当時は中学卒業生が多く特に印象に無かった」というが、「横綱に昇進してあらためて成績をみると欠席は1日もなく実技、教科とも優秀でそのころから真面目な性格だった」。

15年春入門の御嶽海関は、県出身者だったことから目を掛けていた。通っているうちに十両になって地方巡業が入り皆勤できなかったが、出席した日は頑張っていた。「こんなに強くなるとは思っていなかった」と振り返る。

春は1年のうちで最も多くの新弟子を迎える。渡部さんは「入門者みんなが横綱という大きな希望を持って、一生懸命努力するよう願っている。見守っていきたい」と優しい表情で話した。

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