県が検証結果示す 諏訪湖の貧酸素対策

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県は30日、県庁で開いた諏訪湖の環境改善に関わる専門家会議で、コンピューターを用いた諏訪湖の貧酸素対策の検証結果を示した。専用装置で湖底付近に高濃度酸素を供給したり、湖面付近の水と混合させたりするなどの計6手法を対象とし、それぞれの対策を講じた場合の貧酸素解消効果を試算。装置を導入する手法は「費用が課題」としたが、専門家からは「全面的でなく、部分的でいいから早急に対策を実行すべき」との意見が出た。

他に検証したのは、諏訪湖漁協が提案していた貧酸素水の「湖外排出」や、釜口水門の下段ゲート放流による「湖流誘導」、沖合とは異なるメカニズムで貧酸素が起きる沿岸域対策としての「水草ヒシ除去」と「浅場造成」。

夏を中心に水深のある場所へ高濃度酸素を入れたり、湖水の上下混合を促進する対策に関し、県は「(他県の)ダム湖で導入実績があり大きな効果が期待できるが、コストが現実的でない」と報告。サイフォンの原理による湖外排出は「下流域の合意を得ることが現時点で困難」と課題を挙げ、下段放流は「以前の模擬実験と同様、効果なしという結果になった」とした。

ヒシ除去と浅場造成により沿岸域の貧酸素状態を改善していくためには、規模の拡大が必要との見方を示した。

検証作業は、昨年7月下旬に酸欠が原因とみられるワカサギの大量死が起きたことを受け、環境省が構築した解析モデルを活用して実施。魚の生息が困難とされる1リットル当たり2ミリグラム以下の溶存酸素量の分布状況が、各対策の実行により、どの程度縮小するのかを予測した。

委員は「コストが課題とちゅうちょしていると、大量死が再発する恐れがある。ピンポイント的に試行することも検討してほしい」「ヒシ除去で(湖内に酸素供給する)沈水植物の再生が期待できる。効果はより大きいだろう」などと意見を述べた。

県は来年度、沿岸域の貧酸素対策を兼ねてヒシの種子取り範囲を拡大。その他の手法についても引き続き導入可能性を探っていく考えだ。県諏訪湖戦略チームの長を務める中島恵理副知事は「複数の対策を組み合わせたり、部分的に実施していくべきなど貴重な意見をいただいた。しっかり検討し、具体的な対策につなげたい」と話した。

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