2017年04月03日付

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お年寄りにとって暮らしにくい世の中だ。近くに買い物のできる店は少なくなり、外出するにも、安全の問題があるとはいえ自分で車のハンドルを握ることさえ最近は風向きが悪くなってきた。そして後を絶たない特殊詐欺事件だ▼おかげで、高齢者から詐欺被害を出さないようにと、一定期間内にATMで振り込みをしていないお年寄りを対象に、ATMによる振り込みを制限する金融機関も出ている。全国に広まりつつあるという▼県警によると、詐欺被害に遭ったお年寄りのほとんどの人が特殊詐欺についての知識を持っている人で、残念ながら、「自分は遭わない」と思っていて実際に遭ってしまったのだという。何でもそうだが「自分は大丈夫」という気持ちに隙ができる。その心の隙を詐欺師は狙っている▼老後の生活は心にゆとりを持って過ごしてほしいが、「隙を作らずゆとりを持って」などと、難しい問答のようなことを言わなくてはいけない世の中。お年寄りの静かな毎日は、結果的に被害が未然に防がれたとしても、犯罪の電話にもてあそばれたことで大きく乱される▼近くに、詐欺の電話をうのみにして、銀行にうそまでついて大金をおろした人がいた。「もし本当だったらという不安に付け込まれた」と話す。被害は免れたが、心には情けなさと悔しさでしこりを残すこととなった。詐欺師は今も高齢者の心にしこりを残し続けている。

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