2017年04月07日付

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つぼみがほころぶ道を、新一年生が躍るような足取りで行く。新たな道を踏み出した子ども、社会人の少し緊張した表情は、古い株の間にもさわやかな風を吹き込んでくれる▼つい先ごろ卒業式で見送った若者たちは、新しい環境でどんな毎日を過ごしているだろうか。そう思い浮かべる1人が松下鴻佑さん(20)だ。富士見町にある障がい者の自立訓練事業所の第1期生で今春、民間の社会福祉法人へ就職した▼2年前の入学式で出会った松下さんは、うつむいて内気だった。ところが先日、卒業式に臨んだ彼は自信にあふれた快活な青年に変身していた。聞けばこの間、介護職員初任者の資格や運転免許を取得したという。「ものすごく自信がついた。俺、変わったでしょ」と破顔一笑した▼初めて利用者を受け入れた同事業所の職員は当初、「免許の取得は目標だが、障がい者にとっては非常に高い壁」と表情を曇らせた。職員は松下さんと机を並べて介護者試験を受け、運転教習では方向指示器を操作するタイミングを、巻尺で距離を測って体で覚えるなどまさに二人三脚で挑んだ▼卒業式で施設長が、「人としてあなたたちを尊敬している」と述べたあいさつに、2年間の苦楽と、濃密な関わりで培った信頼がにじんでいた。課題にぶつかるごと正面から丁寧に向き合い、手を携えて乗り越えた姿は、新人を迎えたいずこにとってもお手本になる。

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