2017年4月11日付

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顧客サービスが疲労骨折状態に陥っている―。全国展開する大手のファミリーレストランや運輸業などが発表したサービス内容の縮小を受けての率直な印象だ。「お客様のため」と拡大の一途をたどったサービス競争。走り続けているうちに無理が蓄積してしまっていたのだろう▼宅配大手のヤマト運輸は、当日再配達の受付締め切り時刻を早め、配達指定時間帯を縮小した。ファミリーレストランのロイヤルホストは24時間営業を全廃。日本マクドナルドも、24時間営業店を全1857店から半減した▼消費者意識の変化など理由は多々あるようだが、一様に「労働人口の減少に伴い人材確保が困難になった」を一番の要因として掲げている。サービス提供側の意図と実働部隊の実態とに、大きな食い違いが出てしまった格好だ▼サービス拡大を図ってきた企業も、こんな事態になるとは予想だにしなかっただろう。働き方を見直す動きが加速する中で、サービス向上と労働環境の改善という相反するテーマを両立させる新たな課題に挑まなければならない▼ただ、この課題はサービスを受ける側も人ごとではない。季節や時間、場所を問わず、欲しい物は何でも手に入るのが当然とする認識が、現在の局面を招いているという自覚を持つべきか。少し待ってもいいじゃないか―。そんな余裕が疲労骨折から完全骨折にならないための特効薬と思えてならない。

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