2017年04月12日付

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思わぬ余波と言えるだろうか。先月破産した東京の格安旅行会社には新入社員58人の採用が内定していたという。希望に燃えて新生活を迎えようとしていた若者は裏切られた思いでいっぱいだろう。その意味でもこの会社の責任は重い▼そんな内定者を採用したいという企業が殺到しているそうだ。救済の意味もあろうが、背景には深刻な人手不足がある。ここは心機一転、気持ちを切り替えて新たな道を検討してほしい▼人手不足は地方でも同じ。企業は県外に進学した地元出身者にラブコールを送るが、緩やかな景気回復を受けて大手の採用が活発化する中、苦戦を強いられている。大手志向に加え、地元にどんな企業があるのかよく知らない実態もある▼そんな若者に子どもの頃から地域に目を向けてもらおうと「キャリア教育」に力を入れる自治体も増えてきた。伊那市の中学校では昨年11月、地元の産業や文化を体験する「キャリアフェス」が開かれた。市教委がまとめた報告書がある。生徒の一人は「初めて伊那ってすごいなと思いました」▼一方、出展した企業の感想も目を引いた。「いかに生徒を集めるかに苦労した」「営業力、プレゼン力の必要性を強く感じた」―。労働力人口の減少もあり、「売り手市場」はしばらく続くだろう。若者にどう自社の魅力をアピールし、人材を確保していくか。企業にも学ぶことが多い機会になったようだ。

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