2017年04月17日付

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〈雨は夜更け過ぎに 雪へと変わるだろう…〉。ヒット曲「クリスマス・イブ」で知られる山下達郎さん。先日、松本市で開かれたコンサートに足を運んだ。還暦を過ぎても変わらぬ伸びやかな歌声にしびれた▼信州には親しみを感じていると切り出したので、どんな縁があるのだろうと思ったら、先祖が伊那市の高遠町出身と聞いて驚き、うれしくなった。その高遠は今、花見客でにぎわっている。タカトオコヒガンザクラの開花が進む。小ぶりで赤みの強い花が彩る光景は、まさに「天下第一」▼花の下での宴もいいけれど、近くの山から見た景色も素晴らしい。ピンク色の雲海が広がっているようだ。このように楽しめるのも地道に守り育ててきた地元の人たちのおかげである。でも、この春は浮かれた気分になれない。世界情勢の激変がそうさせる▼米国によるシリア攻撃。化学兵器使用への報復と伝えられる。背景にはトランプ大統領の感情的な面も少なくないようだ。北朝鮮との間では緊張状態が高まっている。「言葉の戦争」はピークに達している。平和を享受してきた日本の姿も大きく変わるかもしれない▼コンサートでの一曲「THE WAR SONG」が心に残った。戦争に巻き込まれてゆく遠い国の人々の心に寄り添いつつ〈悲しみの声に答える術もなく 僕はどうすればいい〉と歌う。無力感にさいなまれても思考は止めずにいたい。

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