厄から逃げろ! 伊那で「やきもち踊り」

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踊りを終え、一目散に境内の外へ逃げ出す保存会員たち

伊那市山寺に伝わる民俗芸能「やきもち踊り」(県無形文化財)が16日、白山社・八幡社合殿境内で行われた。羽織はかま姿の男性たちが、酒宴と踊りを繰り返した後、一斉に境内から逃げ出すユニークな祭り。大勢の観客が見守る中、無病息災や五穀豊穣などを願って、にぎやかに繰り広げた。

起源は定かではないが、江戸中期には行われていたとの記録が残る。伊勢参りをした人たちが踊りを習って帰り、神社の例祭で奉納するようになったとされる。手や足を大きく振り上げ、跳ねるように踊るのが特徴で、現在は山寺区民が加入する保存会が継承している。

赤い毛せんを敷き詰めた境内に、保存会員30人が入場。祭りを執り行う当番役「当屋」の新・旧引き継ぎ式に続き、酒盛りを開始。キセルに刻みたばこをくゆらせ、アユの塩焼きをさかなに、濁り酒を酌み交わした。酒宴と踊りを3回繰り返し最後の踊りが終わるや否や、白足袋のまま一斉に駆け出した。逃げ遅れると厄病にかかるとの言い伝えがあり、先を争うように鳥居をくぐった。

「他の衆に厄を負わせるわけにはいかない」と最後に鳥居をくぐった保存会長の柴満喜夫さん(72)は「厄は直会で落としたい」と苦笑。「伝統行事を後世に引き継いでいきたい」と誓っていた。

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