特殊詐欺 高齢者の過信も被害要因

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特殊詐欺被害が後を絶たない。認知件数、被害額とも減少傾向にあるとはいえ、ますます多様化し、巧妙化する犯行の手口に対策が追い付いていないのが実態だ。県内にも特殊詐欺事案とみられる不審電話が連日のように掛かってくる。高齢者だけでなく、だれもが、いつでも被害に遭う危険があることを改めて認識したい。

特殊詐欺被害による2016年の県内の被害は215件、約4億8900万円で、被害件数は前年より27・6%減少した。だが、税務署や市町村役場などの職員をかたって税金を返すと見せかけ、現金自動預払機(ATM)から現金を振り込ませる還付金詐欺は46件と前年を上回っている。

3月下旬、典型的な還付金詐欺事件が諏訪地方で起きた。80代女性宅に市職員をかたる男から電話があり、「保険金の返還があるので、金融機関から連絡がある」と言われた。その後、金融機関の職員を名乗る男からの電話でATMに行くよう指示され、男の指示通りに操作したところ、他人名義の口座に現金を振り込んだことに気が付いたという。

県警によると、最近は子どもや孫をかたって地方の高齢者らを東京などの首都圏に呼び出し、現金をだまし取る「上京型」の手口も増加傾向にある。

自分はだまされることはない。見破る自信もある―。このような考えを持っている人は意外と多いのではないか。高齢になるほどその割合が高いことが、内閣府が1月に行った「特殊詐欺に関する世論調査」で分かった。被害に遭わない自信があると回答した人で、70歳以上の50・7%が最も高かった。60代の42・9%がこれに続き、年代が低くなるに連れて減少しているのが特徴だ。

被害者の8割近くが65歳以上の高齢者という現実を考えると、根拠のない自信が過信につながり、特殊詐欺に無防備になっている実態が目に浮かぶ。被害防止に一定の効果があるとされる非通知電話拒否についても「行っている」「行いたい」とする回答で、70歳以上が22・5%と最も低かった。

高齢者の認識の甘さ、根拠のない自信が被害を生み出す要因になっていることは明らかだ。自分も被害に遭うかも知れないという当事者意識、危機感を持たないと被害を沈静化させることは難しい。

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