2017年04月25日付

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原発事故の自主避難は自己責任なのだろうか。復興庁トップの発言と、その後の姿勢には、避難を余儀なくされた当事者ならずとも、困惑を通り過ぎ、憤りさえ感じたのではなかろうか。やむなく避難した上に、心無い中傷まで受ける。まるで各地で起きている「原発いじめ」を象徴しているかのようだ▼東京電力福島第1原発事故の自主避難者に対する住宅支援の打ち切りに端を発した発言。実際に帰れない人たちに対し「本人の責任」「本人の判断」とし、国には責任がないと言い放った。世間の批判に一旦(いったん)は謝罪をしたものの、根本的な姿勢を変えることはなかった▼本当に本人の責任と考えているとしたら、復興庁という機関そのものの存在意義が問われるというもの。復興とは、目に見える風景が整えばよいというものではないはず。避難者一人ひとりが元通りかそれに近い生活を手にできてこそではあるまいか▼国は、避難者の最後の一人が復興できるまで支援すべき立場にある。それを「避難者が悪い」と言わんばかりの対応は、いっときも早く切り捨てたい―が本心と受け止められても仕方なかろう▼各地で問題になっている原発いじめも、こうした大人の姿勢が反映されていると思えてならない。災害で打ちひしがれた上に、避難先で傷つく人が存在する国に、明るい未来は望めない。「当事者に寄り添えるリーダー」が一層求められている。

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