美和ダム起工60周年座談会 伊那市長谷

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伊那市長谷の美和ダムが本体着工から4月で60年を迎えることを記念し、「美和ダム起工60周年記念座談会」(美和ダム起工60周年記念資料作成実行委員会主催)が22日夜、長谷総合支所で開かれた。60周年記念に刊行した冊子「水と人の詩 三峰川と歩む長谷の60年」を基に歴史を振り返るとともに、地域活性化に向けた美和ダムとダム湖周辺の活用などについて意見交換した。

地域の活性化に取り組む団体代表や長谷総合支所長、国土交通省天竜川ダム統合管理事務所長ら5人がパネリストを務め、長谷を中心に約50人が参加した。

着工当時からの貴重な写真がふんだんに掲載された冊子を見て、座談会は当時の思い出話から入った。進行役を務めた長谷地域協議会の西村美里会長は「(ダム完成により)下流域は災害が少なくなり、水田を潤すことができ、恩恵が大きかったが、長谷は過疎の契機になった」と切り出した。

冊子に掲載された1982年7月の台風10号で美和ダム湖面が流木によって埋まった写真から、長谷総合支所の池上直彦支所長は「(流木が下流に流れたら)伊那はどうなっていただろうかと思う」とダムの恩恵を強調した。

今後のダムなどの活用について、溝口郷づくり会の中山勝司会長は「ダム建設の賛否をめぐる対立や、移住しなければならず人口減少につながったことなど、『美和ダム物語』を作って学校教育に役立ててほしい」と要望。ダム周辺の景観を観光資源と発信するよう国、市、地域の協働を求めた。

長谷地域協議会の中山和文副会長は、5年前に長谷で行ったアンケート調査から、地域住民のダム活用は1・9%のみとし、「地元が楽しむエリアとして生育していない」と指摘。「ここには水力発電の歴史がある。長谷がエコタウンになってほしい」と期待を込めた。

天竜川ダム統合管理事務所の可児裕所長は「貴重な資源がいっぱいある。有効に活用する手だてを皆さんと相談しながらやっていきたい。防災教育などの利活用にも力を入れていきたい」と述べた。

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