住宅耐震改修最低水準 昨年度上伊那補助活用

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上伊那地方8市町村の補助制度を活用し、昨年度に耐震改修工事をした住宅は4戸にとどまり、制度開始以降で最低水準になったことが県伊那建設事務所建築課への取材で29日分かった。8市町村は今年度、県と連携し、それぞれ補助上限を60万円から100万円に引き上げる方針。補助拡充も周知しながら、“足踏み”状態が続く住宅耐震を促進したい考えだ。

市町村別では伊那市3戸、箕輪町1戸だった。深刻な建物被害が出た昨年4月の熊本地震を機に関心が高まったためか、補助の前提となる精密診断は前年比15戸増の50戸となったが、「診断も改修も思うほど伸びなかった」(駒ケ根市)という市町村もある。

旧建築基準で建てられ「耐震不足」と判定された木造住宅を対象に、国、県、市町村が工事費の2分の1を補助する制度。補助を活用しても100万円前後の自己負担が必要になるため、改修まで至らないケースが多い。上限引き上げは希望する市町村と、県がそれぞれ持ち出し分を増やす形で行い、上伊那では既に7市町村が引き上げ方針を決定。中川村は「年度内に上げる方向で検討を始めたい」としている。

最新の住宅土地統計調査に基づく上伊那の住宅耐震化率は推計で77・2%。2020年度までに90%とする目標を達成するには「これまでの倍以上のペースで改修を進めなければいけない」(建設事務所建築課)という。

林明範課長は「糸魚川静岡構造線断層帯の南側が動いた場合の地震では、上伊那で5740戸が全壊すると想定されているが、住宅耐震化が進めば被害を軽減できる」と指摘し、「近年の診断実施世帯を中心に、補助の拡充を周知したり耐震化の必要性を呼び掛けたい」。伊那市は「市報でも補助の拡充をお知らせしていく」としている。

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