2017年05月01日付

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意外に思うかもしれないが5月は1年の中でも火災発生が多い月だという。総務省がまとめた火災発生状況によると昨年1年間の総出火数は3万9000件あまりで、このうち約4300件(11・1%)が5月に発生。もっとも多いのは3月で、春先から初夏にかけて火災が多いようだ▼110年前の明治40(1907)年4月26日午前11時半ごろ、集落を火の海と化した大火が発生した原村中新田。住宅116棟、土蔵47棟を焼き、2人の命が奪われた。3キロ離れた八ツ手区にまで飛び火し、住宅など20棟を焼失したことからも火事のすさまじさをうかがい知ることができるだろう。火災後には県内外から多くの善意が寄せられたという▼昨年末、新潟県糸魚川市で約140棟を焼き尽くす大火が発生し、火の恐ろしさを全国に知らしめた。その規模に匹敵する火災が110年前にわたしたちの身近で起きていたのは驚きだ▼大火を経験した中新田では、火事の教訓を生かそうと、毎年大火が発生した同じ日に消防訓練を行うという。大火を経験した人はすでに生存しないが、区民の間で大火は語り継がれ、その教訓が今に生かされているのは救いだ▼人類が火を使うようになったのは50万年前からだともいわれ、文明発展には欠かせないものであるのだが、非情にも時として生命、財産をも奪い去る。人知を超えた自然の力であることを改めて考えたいものだ。

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