長時間労働 働く人の命に関わる問題

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相変わらず違法な長時間労働が横行している。長野労働局が先日公表した「過重労働解消キャンペーン」の重点監督で、調査した202事業所のうち、半数以上で過労死と認定される目安の月80時間を超える残業が確認された。働き方改革の必要性が叫ばれ、社会を挙げて長時間労働の撲滅に向けて取り組んでいるにもかかわらず、深刻な過重労働が解消されていない実態が浮き彫りとなった。

重点監督は、若者の使い捨てが疑われる、いわゆる「ブラック企業」に加え、過去に過重労働に伴う労災申請があるなどの法令違反が疑われる県内の事業所を対象に実施した。

その結果、全体の7割を超える151事業所で何らかの法令違反が見つかり、53%にあたる107事業所で違法な時間外労働や休日労働が認められた。7事業所ではサービス残業にあたる賃金未払いが発覚し、健康診断や産業医面談など健康被害の防止措置を怠っている事業所も22カ所あった。

看過できないのは労災認定の基準とされ、「過労死ライン」と呼ばれる月80時間を超える残業を行わせていた事業所が79カ所に上り、このうち10事業所で月150時間を超えていたことだ。

監督指導が行われた社員150人の製造業では、12人が月に100~170時間を超える時間外労働をしていた。社員30人を雇用する運送業では、月100時間超の残業があり、連続運転時間などでも違反が認められた。

労使双方で残業時間の上限を定めた「三六協定」がなかった事例や、協定を超えた残業も見つかった。始業・終業時刻の確認や記録が不十分なケースもあった。

厚生労働省は今年1月、労働時間について使用者が講ずべき新たなガイドラインを策定した。そこには、経営者は労働時間を適正に把握する責務があることを明記してある。長時間労働は働く者の命や健康に関わる深刻な問題だ。こうした企業の違法行為を見逃していたら、いつまでたっても過重労働は解消されない。

人手不足の中にあって、長時間労働の解消を柱とした働き方改革を実現しなければ、その企業は存続できないと肝に命じるべきだ。経営者側の意識改革、労働環境の改善に向けたさらなる取り組みが求められる。

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